2021年から2022年にかけてリフォーム業界や新築住宅業界では住設機器の値上げが大きな話題となっています。
恐ろしいことにまだまだ原材料高騰がとどまらない様子でさらなる値上げが発表される可能性があるとも言われています。
実際に同じ建築業界では日本ペイントなどの塗料メーカーがここ2年の間に10%クラスの値上げを2回行っており、物価上昇が顕著となっています。
多くのメーカーは2022年4月の段階で価格改定済み
残念なことに主要メーカーの多くは2022年4月の段階ですでに価格改定が行われてしまっています。
メーカー名 | 値上げ幅 | 改定日 |
アイジー工業 | 17% | 2021年8月1日 |
YKK AP | 8~15% | 2022年1月1日~随時 |
LIXIL(リクシル) | 2~39% | 2022年4月1日 |
Rinnai(リンナイ) | 5~10% | 2022年4月1日 |
sangetsu(サンゲツ) | 18~24% | 2022年4月1日 |
DAIKEN(大建工業) | 10~12% | 2022年4月21日 |
Takara standard(タカラスタンダード) | 1~9% | 2022年4月25日 |
一方で価格改定まで猶予があり、これから見積もりをとっても値上げ前の価格で施工ができる優良メーカーが残されています。
水廻りに関する商品は紹介する3社がほとんど取り扱っております。
これからの数か月が値上げ前の最後の駆け込み期間となりますのでぜひ確認していってください。
Panasonic(パナソニック):8月1日受注分まで
パナソニックは2022年8月1日の受注分から値上げを予定。
パナソニックは住設メーカーの中でも珍しく、水まわり設備とフローリングやドアなどの内装建材を扱う総合的なメーカーです。
そのため、リフォームやリノベーションをしようと思ったときパナソニックだけですべてを完結することもできます。
木の色味などを合わせられたりするので新築モデルルームのような統一感のある仕上がりにできます。
↓水まわり関係の値上げ情報
対象商品 | シリーズ名 | 改定率 | 実施日 | |
キッチン |
システムキッチン |
Lクラス ラクシーナ Vスタイル |
約9% |
2022 年 8 月 1 日 弊社受注分より |
ミニキッチン |
MKV | |||
キッチン部材 |
キッチンボード (単品) |
|||
バスルーム | 戸建て向け |
Lクラス オフローラ |
約11% | |
マンション向け |
リフォムスバス MRバス |
|||
アパート向け | 賃貸ユニットバス |
約15% |
||
洗面化粧台 |
Lクラス エムライン アクアファーニチャー |
約9% | ||
ウツクシーズ シーライン |
約6~9% | |||
トイレ設備 |
アラウーノ本体 |
L150 |
約6~7% | |
S160 | 約9~10% | |||
Vシリーズ | 約12% | |||
トイレ周辺部材 |
アラウーノ専用手洗い カウンター 手洗い |
約9% |
↓建材関係に関する値上げ情報
商品シリーズ | 改定率 | 実施日 |
インテリア建材 ベリティス | 約10% | 2022 年 8 月 1 日 弊社受注分より |
インテリア建材 ベリティスパブリック | ||
システムファーニチャー キュビオス | ||
インテリア建材 インテリアAP | ||
木質床材 | 1,000円~2,000円/坪 |
クリナップ:9月5日納品分(一部注文分・見積分)まで
クリナップは2022年9月5日納品分から値上げを予定。
クリナップはもともとキッチン専業メーカーだったためキッチンが主力のメーカーです。
最近ではキッチンの天板は人造大理石が主流となってきていますが、クリナップはステンレスの品質が強みです。
通常のステンレストップも品質が高いですが、プロ仕様のキッチンのような高品質なステンレスや海外のキッチンを思わせる無骨な金属トップはほかのメーカーにはない魅力があります。
クリナップは納品分のためリフォーム会社によっては早々に値上げ対応になるかも!
クリナップの営業所に確認したところ、今から発注したとしても納品が改定日を超える場合には値上げ後の価格となるようです。
IHや一部のガスコンロが欠品しているのでもしかすると値上げ前の価格での対応はできない可能性もあります。
カテゴリー | 対象商品、取り付け設置費 | 改定率 |
システムキッチン | CENTRO、STEDIA、ラクエラ | 10%程度アップ |
システムバスルーム | アクリアバス、YUASIS | 10%程度アップ |
その他一般商品 | コルティ、流し台、ミニキッチン 洗面化粧台、浴槽 など | 10%程度アップ |
関連機器類 | 上記シリーズに採用する全ての機器 | 10%程度アップ |
アクセサリーパーツ類 | 上記シリーズを含む全ての商品 | 10%程度アップ |
アフターサービスパーツ類 | 上記シリーズを含む全ての部品 | 10%程度アップ |
取り付け設置費 | 上記シリーズを含む全ての取付・設置 | 10%程度アップ |
TOTO:10月1日受注分まで
TOTOの値上げは2022年10月1日受注分からを予定。
今回選んだ3つの商品の中で最も値上げまでの期間が長いのがTOTOです。
TOTOはトイレが有名で、皆さんがよく使うウォシュレットという言葉はTOTOの商品名で他社は使うことができません。
トイレだけでなく実はユニットバスも性能がよくシェアもLIXILに次いで高いです。
独自のほっからり床が大人気で、他社の風呂の床が固いのに対してTOTOは柔らかく水はけがよいという唯一無二の性能があるため、各社営業マンが対抗トーク術を伝授してくれるくらいベンチマークされています。
対象商品 | 改定率 |
衛生陶器 | 3~8%程度 |
ウォシュレット | 2~13%程度 |
水栓金具 | 6~12%程度 |
ユニットバス・システムバスルーム | 6~20%程度 |
洗面化粧台 | 4~8%程度 |
システムキッチン | 2~7%程度 |
まとめ
値上げのニュースは生活費が高くなるため目をそむけたくなりますが、情報としてうまく活用すれば事前に安くリフォームすることもできます。
リフォーム業界に限らずモノの価格は一度上がったら下がることは少なく、状況的に段階的な値上げも行われていきそうです。
壊れていない限り、キッチンやお風呂のリフォームはやらない方がほとんどですし、壊れるのも水栓やガス機器であることがほとんどなので部分交換で何とかなってしまうのも事実です。
そのため、どれくらいの時期に交換するか、どれくらいの予算で考えていくかなどこの機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか?