「リフォームっていつやるのが正解なの?」
リフォームの仕事をしていると話すと必ず聞かれる質問です。
これがリフォームを長年やっているリフォマニの答えです。
「修繕」と「リフォーム」の違い
まずは言葉の定義から確認をしていきます。
「修繕=家を維持するために必要なメンテナンス」
ここでいう修繕というのは家を維持するために必要な「メンテナンス」という意味です。
具体的な話をすれば「外壁や屋根の塗装」は修繕のカテゴリーに入ります。なぜなら塗装を行わなければ漏水が起きる可能性が上がり、最終的には家の構造に影響を及ぼしてしまうため、家の健康を維持するために必要だからです。
給湯器などを交換することも修繕に入ります。機器関係は機能部が多いため故障などが起こるため必ず交換をしなければいけません。
「リフォーム=利便性の向上」
一方、「クロスの貼り替え」や「キッチンの本体交換(水栓やガスコンロなどの機能部を除く)」は家を維持するために必ず必要な修繕ではありません。キッチンは水栓やガスコンロなどの機能部分は単体交換ができる場合がほとんどですので、機能部を修繕すればキッチン自体は変えずとも使用を続けることができます。
しかし、使用年数がたってくれば汚れがこびりついてしまったり、お掃除がしづらいといった不便な点が目立ってきます。この不便を解消し快適な生活を行うために行うものが「リフォーム」です。
「修繕が必要な箇所」と「目安となる時期」
続いてどの箇所に修繕が必要なのか、どのくらいのサイクルで工事をしなければいけないのかを部位別のタイムスケジュールで確認していこうと思います。
水まわり
住宅の中で最もメンテナンスが必要になるのが水まわりです。
生活の中心となる部位で機器も多いため、定期的な修繕が必要となります。
修繕だけでなく住宅メーカーが力を入れているのが水まわり機器では利便性が高い商品がたくさんあります。
そのため、メンテナンスが必要なタイミングでリフォームを行う方が多いです。
機器を変えてから本体交換を行うと、交換したばかりの機器を再利用できないケースも多いためどのタイミングでリフォームを行うかは計画を立てておく必要があります。
築年数 | キッチン | 給湯機器 | 浴室 | 洗面室・トイレ |
10年目 | ・キッチン水栓交換(修繕) | ・給湯機器の交換(修繕) | ・水栓パッキン点検・交換(修繕) | |
15年目 | ・ガスコンロの交換(修繕) ・レンジフードの交換(修繕) ・システムキッチン本体の交換(リフォーム) | ・システムバス交換(リフォーム) | 洗面台水栓交換 (修繕) 洗面台交換(リフォーム) トイレ交換(修繕) | |
20年目 | ・キッチン水栓交換(修繕) | ・給湯機器の交換(修繕) | ・水栓パッキン点検・交換(修繕) | |
30年目 | ・ガスコンロの交換(修繕) ・レンジフードの交換(修繕) ・キッチン水栓交換(修繕) ・システムキッチン本体の交換(リフォーム) | ・給湯機器の交換(修繕) | ・水栓交換(修繕) ・システムバス交換(リフォーム) | 洗面台水栓交換 (修繕) 洗面台交換(リフォーム) トイレ交換(修繕) |
内装・外装
内装に関しては軸組などを除いては意匠仕上げの意味合いが強い箇所となるため修繕というよりはリフォームと考えてよいと思います。
断熱材や躯体などは外装修繕などのタイミングでインスペクション(建築士による診断)を行うと安心です。瑕疵保険に詳しい施工会社で外装修繕を行うと新築時にかかっている瑕疵保険を構造体力上主要な部分についても延長することもできるのでお勧めです。
外装に関しては少し余裕をもって早めのタイミングで設定しております。防水の観点ではシーリング・バルコニー等の防水・屋根のルーフィングが最も重要となりますので留意しておくとよいと思います。
築年数 | 内装(床・壁・天井) | 外壁(シーリング) | 屋根 | 防水(バルコニー等) |
10年目 | ・外壁の塗替え(修繕) ・シーリング交換(修繕) | ・屋根塗り替え(修繕) | ・トップコート更新(修繕) | |
15年目 | ・クロス貼り替え、畳表替え(リフォーム) | ・防水層更新(修繕) | ||
20年目 | ・床の全面的な補修(修繕) | ・外壁の塗替え(修繕) ・シーリング交換(修繕) | ・屋根塗り替え(修繕) | ・トップコート更新(修繕) |
30年目 | ・断熱材、躯体の点検および修繕(修繕) ・クロス貼り替え、畳交換 (リフォーム) | ・外壁の塗替え(修繕) ・シーリング交換(修繕) | ・ルーフィング更新 葺き重ね又は替え(修繕) | ・防水層更新(修繕) |
まとめ
簡単ではありますが「外壁塗装・内装リフォームはいつやるべきか」についてまとめさせていただきました。
上記の期間はあくまで目安となり、立地条件や利用環境によって時期は前後します。
しかし、修繕に関することは住宅の寿命や生活に直接関わってくる項目になりますので早め早めに計画を立てていくことをお勧めします。